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120美酒会メールマガジン  第3号       2004年 5月18日
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第一回美酒会は6月9日(水)です!!お申し込みをお忘れなく!

杉原会長より 当日の企画、蔵元の紹介など情報満載。
会員コラムは 岡山の「浜作」の店主で、料理人でもある横山昌弘さんより
プロとして熱い文章をお寄せいただきました。美味しい酒の肴レシピ付です。

美酒会BBSに 皆さん書き込みしてね。
http://www.whocares.jp/bb/view.jsp?bbn=120bishu

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目次
☆第一回美酒会の詳細 (杉原会長)
☆コラム 横山 昌弘 (商学部 「浜作」主人)
☆会員名簿

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☆ 第一回美酒会6月9日(水)に決定!

テーマ 「造り方の違いによる味のバラエティを楽しもう。」

日時  6月9日(水) 7時より
場所  縁(えにし)  電話 03(5728)2802
渋谷区猿楽町11ー1La Fuente代官山B1
会費  8000円位を予定してます。

記念すべき第一回美酒会です。
お申し込みはお早めにお願いします。(締め切り5月31日)
村田事務局長まで murata615@mve.biglobe.ne.jp

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第1回美酒会では皆さんに「造りの違いによる色々な日本酒」を味わって
いただき「自分の好きな味」を発見してもらいたいことです。今回は全国
各地から酒を取り寄せるのではなく、敢えてひとつの酒蔵でも造り方次第で
様々な味を楽しめるということを皆さんに体験していただこうと思います。

一般的に酒蔵では蔵の持つ最高の技術の粋を尽くした大吟醸と言われる
造りをはじめ、純米酒、本醸造酒と言われるものがあり、更にお米の種類、
精米歩合、酵母、仕込み方の違いで個性豊かな酒が出来上がってきます。
これらを自身の舌で検証してみてください。

そこで今回ご登場いただくのが福島県会津若松の末廣酒造です。

末廣酒造は1850年(嘉永3年)に酒造りを創業、高品質酒として地元の
人々に愛され続けています。
4代目は井戸を10数ヵ所掘って仕込み水を求めるこだわりと酒造りの
追求で大正時代に宮内庁ご用達の栄誉に浴し、現在も大吟醸「玄宰」は
天皇陛下の御愛飲酒のひとつ。

6代目(現社長のお父さん)は原料米の育成、新酵母の開発に尽力。
何より地元農家を大切にし、会津地方の200軒近くの契約農家が育てる
有機栽培米、無農薬米を使用。
農家まかせではなく有機農業の基準を独自で設定したり、新しい肥料の
開発に携わる等積極的に米作りに参加しています。

造りに対しては創業時から続く伝統的な酒造りで、人手と手間がかかるので
今や全国でもほとんどなくなった「生もと造り」を今だに継承。
又同じように酒造りの技巧を求められ、明治42年に考案された「山廃造り」
には大正6年に「山廃もと」創始者の嘉儀金一郎先生が蔵に来られて、
酒蔵では初めての造りを経て一般に広めました。
杜氏は会津出身。「会津の米、会津の水、会津の人で造る」がモットーという
地元を大切にする、まさに「地酒蔵」の見本というべき酒蔵です。
http://www.sake-suehiro.jp/

蔵元さんは福沢先生が教鞭を執っておられた時から代々、慶應義塾で学ぶ
慶應一族で、現社長は115三田会実行委員をされていらっしゃいました。
今回は最高の造りで醸す大吟醸「玄宰」 をはじめ、伝統的な造りの酒、
生酒、にごり酒、古酒(長期熟成酒)、発泡酒等、日本酒の味の世界が
広がるまたとない機会です。皆様の出席をお待ちしています。
まだ出席通知をしていらっしゃらない方はそろそろご通知下さい。

杉原 記

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会員コラム 横山 昌弘

中学生の頃から夏の暑い時にナイター中継を聴きながら缶ビール片手に勉強
していましたが私がお酒(アルコール)との本格的な付き合いは高校1年の時
からのように思います。
塾高に入って親元を離れ自由になり、元来の酒好きが発芽して酒量もめきめき
増えていきました。昼休みには二幸の梅寿司に行き、奥の座敷での体育会の
先輩達の酒盛りでイッキ飲みさせられたり、朝方まで六本木で飲んで仕上げに
築地の場内のすし屋で摘んで、家に帰って着替えて学校に行ったり(それでも
3年間皆勤賞です!!)とんでもない高校生でしたが、今となっては楽しい
思い出ばかりです。

現在は、岡山で料理屋の主人をしておりますので、何かと仕事柄お酒との
関わりがあります。私のお店には、日本料理・鉄板焼・懐かしの洋食屋さん
と3つの部門がありそれぞれお酒の種類も色々と対応する為にビールは
別として 日本酒・焼酎・ワイン・洋酒・カクテルとあれこれメニューに
書き加える度に試飲をしなくてはいけないのです。(こういうのを趣味と
実益を兼ねるというのかな?)

美酒会の原稿ですので、主に日本料理について書いてみたいと思います。
私自身の考えは、お酒は何料理を食べる時でも自分の好きなものを飲む
のが一番ではないかと思っています。
ただ、アドバイスとして何が一番マッチングとして良いですかと聞かれたら、
「私だったら〇〇を飲みます」という風にお答えします。
これにはこの酒、あれにはあのワインというような方程式みたいな食べ方・
飲み方はあまりお奨めしていません。それぞれに味覚と感性が違うので
こうだとはなかなか決めつけられないのです。

さて、日本酒はもちろんの事でしょうが、日本料理も非常に水を重要視する
料理です。豆腐等はとりわけ水の善し悪しが左右し、シンプルな料理法が
多いので水に対する依存度はかなりのウェイトを占めます。
ほとんどの料理のベースになる「出汁」については、西洋料理や中華料理に
使うスープストックに比べると、遙かに短い時間での調理になりますので、
水の正体があからさまに味に出て来るように思います。

「出汁」は主に昆布と鰹でとるのが我々料理屋ではベースになっていますが
歴史的に非常におもしろい経緯があります。まず、昆布ですが、これは主に
北海道が産地ですから夏に収穫します。それを市場に運ぶには江戸時代に
船を使いましたが 太平洋側は夏は波が荒いので日本海側の航路を運び
ました。従って陸揚げする港は敦賀あたりの港になる為、昆布の問屋は関西
になるのです。お水も関東はローム層の影響で硬水ですが、関西は比較的
軟水が多いので、これも昆布との相性がよく昆布出汁が出易い訳です。
従って出汁も昆布の味が良く出た比較的甘めの出汁が引く事が出来ます。
それで、薄口醤油の様な塩辛い醤油を使うことが出来るのです。
関東の場合は同じ製法で出汁を引いても、昆布の甘みが出にくい為マイルド
な濃口醤油を使うのです。

よく関西の人が、関東に行って一番にびっくりする食べ物は蕎麦です。
真っ黒なお出汁の蕎麦が出てきて、さぞかし味が濃いものだと目からの
情報でこれは塩辛そうだと思って食べるので皆さん一様に、関東の蕎麦は
食べられないと言うのではないかと私は思います。
もっとも塩分濃度に関する味覚も、関東は東北・北陸・北海道出身の方の
割合が関西に比べて多いので 必然的に塩分濃度は濃い事も事実です。
出汁についての私の私見を述べましたが、お酒に関しての水と醸造の関係
は良く解らないので、ご存じの方がいらっしゃいましたらお教え下さい。

料理の話に戻りますが、気温も日に日に昇ってきて、冷たいビールが御馳走
になって参りました。ビールのお好きな方はずーっと最後までビールで構わな
いと思いますが、強いて言えばお造り(刺身)の時だけは、日本酒にして頂け
ればと思います。ワインでもなかなかいけるぞ!という方もあると思いますが、
お造りは魚を生で食すものでありまして、もう一つ付け加えるとお醤油も生で
付ける料理です。(私の味覚で思いますに醤油も酵母で作るものですし、この
あたりがビールやワインの酵母よりやはり日本酒の酵母がより近い仲間の
ではないかと全く根拠も勉強もしないで思いこんでいるのです。これも誰か教え
て下さい)従って、やはりお造りには日本酒を、と思うのです。

これから、夏にかけて鮎が出始めます。そろそろ稚鮎が出始めておりますが
鮎の一番の美味しさは腹わたの所の苦味です。
何ともいえないあの上品な苦味は日本人の繊細な舌でなくてはなかなか理解し
難いものですがこの鮎だけは、ビールに勝てません。
日本酒党の方も鮎の時だけはビールにグラスを持ち替えて頂きたいものです。
これから夏にかけて旬のものが、沢山出回りますが、文章だけではつまらない
ので簡単な酒の肴のレシピでも御披露して、呑みに入りましょう!!

<甘長唐辛子の鰹昆布まぶし>  ビール・日本酒に
最近、一般のスーパーでも短い獅子唐辛子とは別に少し長めの甘長唐辛子を
見掛けます。別に獅子唐辛子でもかまいません。
・甘長唐辛子をお好きな分量(1人前=5本位かな)を1ヶ所どこでもいいから切り
目を入れておきます(焼いているときに中の空気が膨張して破裂するので)
・フライパンに少し油をひいて軽く炒めます。仕上がりに酒醤油(酒10:醤油
1)をかけて香りをつけます。
・皿に盛りつけて、その上から鰹の粉が付いている昆布の佃煮(私は錦松梅を
使っています)お好みの量を掛けます。  完成です!!

<じゃが芋の雲丹バター和え>  ビール・焼酎・白ワイン
・じゃが芋を洗い、たっぷりの水に塩(少し多め)チキンブイヨン(インスタン
トの顆粒・キューブどちらでも)を通常の使用量の3倍位いれて茹でます(40分
位で竹串が中までスーッと通ればOK)
・少し冷めたら、じゃが芋の皮を剥いて出来れば一晩煮汁に漬けておきます
・じゃが芋を好みの大きさに切って、フライパンで表面がキツネ色になる
程度に焼き、お皿に盛りつけておきます
・フライパンにバターを溶かし、生雲丹を入れ、弱火で杓文字(スパテラ)で
雲丹を細かくしていきます
生雲丹が半生位で火からおろし、じゃが芋の上から掛けます
・お好みで焼海苔などを掛けてもよろしいかと   完成!!

<辛子明太子のサワークリーム> 付ける材料で何にでも合います
・サワークリームにほぐした辛子明太子を混ぜる 割合はお好み!!
(生クリームやクリームチーズでも良いですがサワークリームが後口が一番
さっぱりして酒が沢山飲める!!!
フランスパンをカリカリにトーストしてもよし、じゃが芋に掛けてもよし、クラ
ッカーでもよし等々!!

まだまだ、いろいろ書きたいけどそろそろ身体が、酒を欲しがりだしたので
この辺りで呑みに入ります!!

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お店紹介
岡山「浜作」は 懐石料理はもちろん薄焼き鉄板焼きが絶品で、
“料理の鉄人”の坂井宏行氏をもうならせた、有名なお店です。
最近西武百貨店の「ごっつお便」で鯛シャブセットや鯛の炊き込み御飯を
販売していて 家庭で料亭の味がいただけて主婦には嬉しい限りです。
横山君にずっと昔に「家庭料理が料亭の味になるコツはなあに?」と聞い
たら「日本酒をたくさん入れる事だ」と教えてくれました。
それ以来 我が家では煮物にもお鍋にもお吸い物にも日本酒をたっぷり
入れてお料理しています。確かにプロの味になります。お試しあれ。
美酒会当日は岡山より浜作「印籠煮」を持参して出席くださる予定です。
http://ww1.tiki.ne.jp/~hamasaku/  浜作HP         妹尾 記

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<お知らせ>
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事務局より後日、ご本人にメール等でご連絡差し上げます。
事務局 村田 健 murata615@mve.biglobe.ne.jp

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