*「吉兆さんのおもてなしを振り返らせていただいて」*

商H 広瀬和則

最高のお席で、最高の料理と酒で最高の友と語り合う。
素晴らしかった!感激した!湯木さん、幹事さん、
塾に感謝!感謝!マル。
で充分な筈ですが、烏滸がましくも振り返らせて頂きます。

まずは胸ワクしながら「日の出の間」に席入りです。
お軸拝見。蕭湘八景。山市晴嵐図。
なぜこのお軸を掛けられたのかな?
花は牡丹?芍薬?あと虎の尾?どなたかご教授ください。
花入は真の花入ではなく籠花入に入れられた。
「夏は涼しく」「涼一味」ごちそうさま。 籠花入は初風炉から
使えますが内では6月から宗家では7月からお使いになられ
ます。 蛇足。

先付けには茅の輪が飾られ夏越しの祓のご趣向です。
茅の輪くぐりをされたことのない方が多かった。
水無月晦日に皆して半年の穢れを祓い、 後の半年の
息災を願いに参りましょう。

すっぽんスープ。伊勢海老姿造り。蓴菜。水無月の胡麻豆腐。
器含めて涼を感じる旬のもの(今でしょ)が続きます。

水無月の胡麻豆腐には夏越しの祓を詠んだいずれかが
添えてありました。

・ 水無月の夏越しの祓する人は千歳の齢延ぶといふなり
茅の輪くぐりする時に歌ったはずだそうですが、
覚えておりません。
・ 風そよぐならの小川の夕暮れはみそぎぞ夏のしるしなりけり
こちらは風炉の柄杓を覚えるのに教えられた百人一首でも
おなじみの歌です。

因みに胡麻豆腐は「水無月」の菓子を模したものです。
水無月の菓子は、夏越しの祓に食しますが、これにも意味が
あります。 昔の人は面白い。

ここで交趾荒磯に盛られた稚鮎の塩焼きを蓼酢で頂く。
この時期の焼物の王者です。
はてはて?同窓会で荒磯の鯉とは?
「三級波高く魚龍と化す」登竜門の意味 でしょうか?

横に阿蘭陀雉香合。中には赤飯のサプライズ!
誕生日のお祝いでした。
香合でご飯を頂いたのは初の体験。
こんなお見立てがあるのですな。 今度トライしてみよう。

かに酢でさっぱりした後、ローストビーフ!鱧丼!と
この時期の陸の王者、海の王者 が続き、最後の
デザートも美味しく頂戴しました。
流石に吉兆さん。すべてに堪能させて頂きました。

お薄のご用意があるとどなたか仰っておられましたが、
酒酒酒でオチャケにオチャが押し出されてしまいましたか?

お開き後、室瀬祐先生から違い棚に飾られた日本三景
蒔絵手箱の見所を ご講義頂きました。
大変貴重なお話しが伺え、頼もしい若き塾員の存在に
今後の期待が膨らみました。

花も嵐も踏み越えて、ちょうど区切りの中間地点。
積もり積もった罪穢れ、 茅の輪くぐって穢れを祓い、
残り半分息災願い、龍を目指して登竜門。
頑張れわれらは水の王者・慶應慶應慶應
ってとこなのでしょうか?

吉兆さんのおもてなしの心に感謝しながら。
よい心持ちで家路につきました。

酔っぱらいの独り言ご容赦。
第20回美酒会。こんな素晴らしい会を開催して頂き
湯木さん、幹事さん、 関係者の方々ありがとうございました。

追記
※器は各人多少異なります。香合:鶴、雁、雉等。
他にもありましたか?
※床脇にあったものはなんでしょうか?
ご存知の方、お教えください。
訶梨勒のようなものでしょうか?