ご挨拶
尾畑酒造株式会社・専務取締役 尾畑留美子 (129三田会)
こんにちは。この度は美酒会にお呼び頂きまして、大変光栄に存じます。
私は佐渡に生まれ育ちましたが、小さな頃から大好きだったのが 「兼高かおる世界の旅」で、小学校の卒業文集でも兼高かおるさんのように なりたい、と書いたのを覚えています。 しかし、大学卒業後に選んだのは映画会社でした。
バブル時代を映画業界で過ごした私ですが、ある日突然決意しました。
「蔵に帰ろう」
1995年帰郷。日本酒も造れば売れる時代ではありません。 しかしながら、うちには素晴らしい杜氏と蔵人がいました。仕込み期間には、 小さくて古い蔵に全期間泊まり込みでお酒を育てていきます。 この手造りのお酒を、海を越えた広い世界の人に飲んでもらいたい。
その後、私どもの「真野鶴・大吟醸」は2003年にエールフランス航空の ファースト&ビジネスクラスの機内酒に採用され、アメリカ、シンガポール、 韓国などにも輸出されています。
2007年にはロンドンで開催されているインターナショナル・ワイン・チャレンジに 出来た日本酒部門の第一回で「真野鶴・万穂」がゴールド・メダルに輝きました。
当蔵の造語で「四宝和醸(しほうわじょう)」という言葉があります。 米・水・人、そして佐渡、の四つの宝の和をもって醸す、という意味です。 私はうちのお酒を「旅する地酒」と呼んでいます。
「旅する地酒が故郷を語る」。
今思うと小さな頃から海に囲まれた島で育った私は、テレビの旅番組を通して、 映画を通して、世界とつながっていたのかもしれません。
 そして今は、地酒を通して、世界と佐渡をつなげていきたいと思います。 佐渡は日本の文化が詰まったミニ・ジャパンとも言える島国で、世界に誇れる 島だと思います。
佐渡の子供たちに、佐渡を誇りに思ってもらいたい。 そのためにも、蔵元として出来ることを続けていきたいと思います。
今日は、そんな佐渡で生まれた「真野鶴」を皆様に召し上がって頂けること 大変光栄に存じます。よろしくお願い致します。
〜”酒呼楽Shu-co-la”な蔵元日記・執筆中〜
http://www.obata-shuzo.com
●自己紹介 佐渡の地酒「真野鶴」の蔵元・尾畑酒造の二女。 慶應大学法学部・政治学科卒業(昭和63年卒)。 大学時代は日本酒研究会に所属、二年の際、全国きき酒大会で特別賞受賞。
大学卒業後、日本ヘラルド映画鰍ナハリウッド映画の宣伝に従事。 「氷の微笑」「レオン」などを宣伝プロデューサーとして手掛ける。
1995年、角川書店「Tokyo Walker」編集者(現・尾畑酒造社長)と結婚し、 その後佐渡の蔵元を継ぎ、現 職・尾畑酒造専務取締役。